2010年5月28日金曜日

『アニメが語り始める』トピック02

『スピンオフするガンダムの限界』

「ガンダムお台場に立つ」


ファーストガンダムが放送されてから30年目の2009年夏、お台場に実寸大のガンダムが登場した。

中学生の頃バレー部だった僕はクラブ活動の休憩時間に熱く「ガンダムは今までのロボットアニメとは違うんだ!」と力説する秀才少年の鈴木君の熱弁を聞いていた。僕たちが初めて見たガンダムはたぶん再放送だったと思う。

それまでのロボットアニメが勧善懲悪をベースにしていたのに対して、ガンダムも多少なりともその傾向はあるけれど、現実世界に近い状況を、僕たちが体験しそうな近未来を描いていた。

でもその鈴木君の熱さは伝わらなかった。
当時のスポーツ中学生男子はあだち充のコミックス「みゆき」のかわいさに夢中だったからだ。こんな妹が突然現れたら最高!と思っていたからだ。

ガンダムはこのファーストガンダム以降、正式な続編やスピンオフストーリーが数多く製作されて最新作『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』に至っている。さすがに31年目を迎えても新作が作られるのはやはりファーストガンダムの作品力だろう。

ガンダムは当初、中高生をターゲットにスタートしたはずだった。今やそれは30年近くたったわれわれ世代をも含めた商業ビジネスを中心に展開している。それが正しいのかどうかはわからない。

歌舞伎や能、文楽なども最初は庶民の楽しむ物語だった。今やそれは伝統芸能と呼ばれ、国の文化として存在している状況だ。

ガンダムもあと70年くらいたったら、スピンオフしすぎて何がなんだかわからなくなるか、「ファーストガンダム再演」などといわれる国の重要無形文化財としての伝統アニメになっているかもしれない。

ちなみに小説のファーストガンダムではセイラさんとアムロの濡れ場がありましたなあ。。。


文責:筑波幸一郎-003888

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