『建築をあきらめない』を終えて 〜独立宣言への追記〜
今回のイベントで話した僕の独立宣言は『アート(芸術)』を思考しているような誤解を与えたのかなと思う。けれど全く違うということだけは言っておきたい。
アートほど社会性を求めて貪欲に経済を指向しているものない。おおよその人は芸術は抽象的な存在、純粋な芸術家の想いの発露と思っているかもしれないが、まったく逆だ。そう考えていたり感じたりしている人は、アートが経済とコミットし社会的地位を向上させようと企んでいる歴史とその姿勢をもっと認識すべきだと思う。
いやらしいことに今流行りの建築思考も、同様のアートの香りをほのかにさせた作家姿勢のものが多い。嘆かわし状況だ。
「だまされるな」と言いたい。
僕はバーチャルなネットワークなどがつくり出す建築に未来などはありえると考えていないし、そんなものがあってはならないと思っている。そんなものにどんな可能性があるなというのか。
冗談のように発言した『今までの歴史をつくった建築家が悪であり、それを叩きのめしたい』というのは本気である。これからつくる建築に対して『経済とコミット』するなんてさらさらないし、そもそもそれが今の諸悪の根源だと考えている。
「ではどんな建築を指向しているのか」って?
それは今の段階では、僕自身への絶対的な命題、使命だと考えている。正直に言えばものすごく選択肢や可能性を狭めて己自身を追い詰めているのだけれど、5年後にもう一度、お会いできる機会をつくり、途中経過かもしれないが『結果』で示したいと思っている。
文責:筑波幸一郎
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