2010年2月13日土曜日

『建築をめぐる22の寓話』トピック15


ダイワマンが意味するところ


ハウスメーカーのコマーシャルは実に多彩で面白い。

役所広司のダイワマン、木村拓哉とタマホーム、へーベルハウスのラム一家などなど。一度見たらそのCMキャラクターイメージが脳裏に焼きつく。そしてそれは過激さの一途をたどる。


ダイワマン!役所広司!、ダイワマンX!?、唐沢敏明!!

物語はどんどん進んでいく。次はどうなるんだろうと期待する。


コマーシャルの最大の目的は企業イメージおよび商品イメージをきっちりと伝えることにある。それはイメージであり実態ではない。


だから面白い。


多くの人たちは「家を買う」と表現する。ライフスタイルを「買う」のだ。家電製品や衣服、車やバイクなど自分を彩るものすべてを「買う」。


その延長線上に「家を買う」。


ライフスタイル=暮らしを「買う」とはどういうことか?何を意味するのか。それは考えることを否定することに等しいと僕は思う。


テレビではお笑いタレントやおバカタレントが席捲し、雑学を多く知っていることが頭が良いことだと勘違いし、知らなくてもいい漢字を即答できることが秀才に見えるらしい。


それらすべては考えることをしなくなったからだ。少なくとも僕の親父の世代ではこんな馬鹿げたテレビや情報を子供たちに見せられることはなかった。

街中や近所には恐ろしいくらい怒る親父やおばはんがいて、何をしてはいけないか、何をすればいいか、考えることを繰り返しさせられた。


そんなこと、みんな知っているはずなのに。。。


イメージを売るしかないコマーシャル。

その代表は家だろう。ひとそれぞれに多様にあるライフスタイル=暮らしそのものをイメージとして売ることができないから、キャラクターやそれ以外のものに頼るのだ。


それは決して悪いことではない。「それを知った上」でという注釈がつくけれど。。。


文責:筑波幸一郎


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