今回のトピックは『デザイナーは喧嘩師であれ』という川崎和男氏の書籍に由来する。その著書の各章の素敵なタイトルと、信念に貫かれ愛情ある吟味された文章は必読だ。
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僕はいつも建築でどうやって生きていけばいいのかを真剣に考えている。
生きていく上で、いたずらに私情で腹を立てるということは好ましくない。しかし、建築をするという公の立場において、何が正しいかを考えた上でこれは許せないということに対しては大いなる怒りを持たなくてはいけない。
建築にたずさわる多くの人たちは相反する事実に苦悶している。それは何かと言えば、負の要素として存在する市場原理やクライアントの意向、それらを含めたさまざまないやらしい要因が、建築の力でより良い未来をつくっていこうとする思いと対立するだけでなく複雑に絡み合っているからだ。結果、建築をつくるという行為自身の、境界線そのものが曖昧になっていく。
『義憤を持て!喧嘩師であれ!』
人はそれぞれの立場において怒りを持たなくてはならない。まして昨今のように日本と言わず世界と言わず、多くの難局に直面し、むずかしい問題が山積している時には、僕たちいわゆる今後10年を決めるべきオトナの世代が、欲望のまま進んでいる輩(それは次の世代かもしれないし、上の世代かも知れない)に対して、きっちりと引導を渡すべきなのだ。
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『建築をめぐる寓話』まであと2日
文責:筑波幸一郎-02800
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