2010年6月1日火曜日

『アニメが語り始める』トピック05

「あなたは守りたいものがありますか。デビルマン」

デビルマンに詳しいわけではない。学生時代、当時「新世紀エヴァンゲリオン」がブームでビデオ上映会を仲間でやっていた頃、友人が「デビルマン」のマンガを貸してくれた。子供の頃TVアニメで見ていた「デビルマン」と、その時読んだマンガ版との感じ方の違いに驚いたことが忘れられない。原作者の永井豪がほぼ同時進行で作り上げたマンガ版は、TVアニメしか知らない人が見たら、卒倒してしまうほどショッキングなストーリーと残酷描写を持つ作品になっている。アニメとマンガの違い、ターゲットの違いなどにより、伝えようとする内容が変わってくることがおもしろい。「新世紀エヴァンゲリオン」の作者・庵野秀明が「デビルマン」から影響を受けたと語っていたことを後になって知ったのだが、友人は知っていて貸してくれたのだろう。

マンガでは、主人公・不動明は人間の心と悪魔の力を持つ悪魔人間・デビルマンとして、アニメでは、デビルマン(悪魔)の意識が不動明を取り込んだ形になっているため、「愛に目覚めて人間の側に立った悪魔」ということが強調されているという。人間が「守るべき価値の見い出せない存在」と知って苦悩するデビルマン。何のために戦うのか。誰のために戦うのか。人間の本質をえぐり出し、醜さ愚かさを心に刻み込ませる。

「人の世に愛がある 人の世に夢がある この美しいものを 守りたいだけ」(「今日もどこかデビルマン」)。

オープニング「デビルマンのうた」とエンディング「今日もどこかデビルマン」はストーリーよりも鮮明に覚えている。ちなみに作詞はいずれも阿久悠。アニメのための作られた主題歌が懐かしい。

文責:森本雅史-003978

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