2010年6月30日水曜日

浮かび上がる建築 参

「アニメが語り始める」を終えて
浮かび上がる建築 参


「アニメが語り始める」というタイトルのもと建築を浮かび上がらせることが今回のテーマで、非常に難しいものだった。そんな中、自分になりに今回の企画展で考えたことは下記のふたつ。

①アニメを比較対象として学ぶことで建築の可能性を浮かび上がらせること
②それぞれがトークライブに関するスケッチ・作品を展示することになったので、ことばでうまく伝えきれないものを展示作品にて補完すること。

今までみたアニメを振り返ってみて、アニメが私たちに行動を起こすきっかけを与えてくれていることに興味を覚えた。それは憧れであったり、自己投影であったり・・・。沈滞ムードの世の中で前向きに背中を押してくれるものとして夢を与えている存在と捉えようとした。「きっかけ」に目を付けたのは、建築にそんな力があってほしいという願望からだ。そんなアニメの社会への影響力の大きさに「きっかけはアニメと我に嫉妬する」とまとめてみた。アニメへの嫉妬、偽らざる心境だ。


そんなことを考えて意気消沈している場合ではないと、展示作品では、この状況を遊んでしまえと2つのサイコロをつくってみた。ひとつは、メンバーが子供の頃、何らかの影響を受けたアニメを、もうひとつは今の子供たちがもし建築を志すならきっかけになりそうな事柄を並べたものをつくった。「きっかけ」をキーワードにアニメと建築の相容れないものから何かかが生まれるのかをゲーム仕立てに考えてみた。たとえばアニメのサイコロで「ドラえもん」がでて、建築のサイコロで「ビフォーアフター」がでた場合、未来志向で、感動的なストーリーを元に建築をつくっていく夢見がちな建築家像が生まれてくる。それが何を意味するのか、今回のトークライブの行くへと同じように、わからないのが面白い。そんなことを思っていた。

子供の頃みたアニメでは、余韻から学ぶことが多く、結果としてそのほうが体の中に残っているように、押しつけがましくなく、思考のひとつのきっかけを与えるそんなイベントになればいいなと思っている。


文責:森本雅史-4685

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