2010年6月19日土曜日

『アニメが語り始める』トピック18

人間っていいな「まんが日本昔ばなし」

アニメは、こどもたちの感性を養うことができる貴重な存在だ。心温まるもの、残酷なもの、人間と自然・・・押しつけがましくなく余韻として伝えてくれた「まんが日本昔ばなし」。そこには、自分で考える時間を与えてくれていたように思う。

人から教わったものではなく、自分で考えて身につけたものは、一生残っていくと思う。まさに「まんが日本昔ばなし」は、こどもにその機会を与えてくれたアニメだったと感じる。裏を返せば、そのようなアニメが少なくなったということなのか。

また、それぞれの昔話によって、映像のタッチや、音楽のジャンルに違いを持たせていたことや、市原悦子と常田富士男の両名が一人で何役もの声を使い分ける独特の語りなどが、作品としてもクオリティーの高さを持たせていたように思う。作り手が、子供に対して、本物を見せていくということの大切さを理解していたのだろう。

「いいな、いいな、人間っていいな」とエンディングで無邪気に歌う「くまさん」たち。人間は、動物や植物から見てうらやましい存在になっているのだろうか。人間だけで暮らしてきたのではない、自然との共存の歴史を昔からの言い伝えとしてアニメが自然に語ってくれる「まんが日本昔ばなし」。視聴率至上主義の中、番組は終わってしまったが、自分の子供にみせたいと、放送の再開を望んでいるのは、わたしだけではないだろう。

文責:森本雅史–004353

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